小児訪問看護って、なにするの?

こんにちは。訪問看護師の、侑子です。

今私が担当しているのは、主に0歳から40代くらいまでの利用者さん。
訪問看護としては、かなり”若い”年齢層です。

  

補足:訪問看護の歴史
もともと平成4年にお年寄りのために訪問看護の制度が始まり、平成6年になってから、対象がすべての年代へと拡大されました。制度が拡大してから15年以上が経過していますが、まだまだ小児(0歳~20歳未満)の利用者さんの受け入れが整っていない訪問看護ステーションが多いのが現状です。

  

  

で、今回お話するのは「小児訪問看護師は、一体何をするんだろう?」という疑問についてです。

小児在宅はまだまだ発展途上の分野です。
小児の訪問看護があることも、認知度は低い。
私の日々の看護内容や、仕事を通して感じていることを中心に、お話していきます。

訪問看護の仕事

訪問看護とは?

訪問看護とは、医師の指示のもと、ご自宅で過ごす方(利用者さんと呼んでいます。)の健康管理や生活援助を行うサービスのことです。

  

つまり、利用者の主治医の依頼があって初めて私たちはご自宅に訪問することができるのです!

  

入院期間を減らそうとする国の動きに伴って、”在宅で医療的ケアを受ける”というニーズが高まっています。
そこで必要とされるサービスのひとつが、訪問看護です。

  

今後、人生の最後を病院ではなくて在宅で看取る、という動きが加速していくので、多くの人達にとって訪問看護師は身近な存在になっていくでしょう。

参考URL:訪問看護とは?| 日本訪問看護財団HPより

成人と小児の訪問看護の違い

  

大きな違いと言えば、小児はこれから成長発達していく存在であるということです。

家族もそう。親は現役で仕事をしていて、きょうだいもそれぞれ成長して自分の人生を歩んでいる。その中で育っていきます。

  

だから利用者自身の医療機関受診やきょうだい児の予定などで、予定されていた訪問が急にキャンセルになることもよくあります。
成長していく存在なので、物事が常に流動的なのです。

  

また子どもたちは病気や生涯があっても個々のペースで成長発達していくので、訪問ではその発達上のニーズに応えられる看護が求められます。

その看護の一つが、日々の体調を整えることであり、療育や保育園などの公的機関に繋げることです。
家族や同年代と過ごす時間は子ども達の心と体の成長にとって大切な時間であることを忘れてはならないのです。

具体的な仕事内容

小児の訪問中に行っている主なことは、以下の通りです。

健康管理、症状観察
入浴介助
食事介助、栄養相談(ミルク、離乳食、経管栄養)
中心静脈栄養管理
排泄援助(オムツ交換、導尿、浣腸)
気管・口鼻腔吸引
人工呼吸器管理
遊び
マッサージ
レスパイト

他にも保育園や学校、療育施設に行く準備などで、主治医や役所、学校などの様々な関連施設と連携を取ることも重要な役割になります。

  

見通しをもった関わりをする

病院に入院している患者さんに看護を提供するとき、「退院を見据えた関わり」を行なうことは重要です。また、治療をするにしても、「この子がどういう状況になると良いか」という未来像を描いたうえで、治療や看護を提供していきますよね。

  

訪問看護でも、それは同じです。
小児は成長発達していく存在だからこそ、どのように子どもの育ちをサポートしていくべきなのかを考えます。


そう考えると先を見通して関わること、めっちゃ大事ですね。
ただひとつ。その見通す長さがめーーーちゃくちゃ長い。

  


現在0歳の子が、保育園児になり、小学校へ行き、その内に成人となっていく。
訪問看護をしていると、その成長過程に長く寄り添うことが可能です。
子どもはあっという間に大きくなり、いつの間にかできることが増えています。

 

  

訪問看護は長く付き合っていくからこそ、その子の成長過程予測を年単位で見通す必要が出てきます。

そして細かな成長発達は、人工呼吸器・経管栄養などの医療的ケアや、未熟児、神経・筋疾患などをはじめとした病気や障害の影響より、一般的な成長のペースよりもゆっくりであることは珍しくありません。

なので、成長発達において凸凹している部分を伸ばしてあげるように関わったり、ハイハイや立つなど、次の段階でできるようになることを見据えてお家の環境を整えて、家族に成長発達の様子をフィードバックします。

  

先輩訪問看護師

成長発達においては、先手を打つ関わりが大事!できる兆しが見えてきたとき、それを家族にお伝えすると喜ばれることが多いよ。

  

肺や消化機能、運動機能、嚥下など

ゆっくりと成熟していく体をどのように育てていくか。

”育ちの視点”を踏まえた関わりができることを念頭に、いつもと変りのないことを訪問中に観察・確認しています。

ケノ日を大切に生きること

「ハレの日、ケの日」という言葉
1度は聞いたことありますか?

  

ハレの日とは、冠婚葬祭や年中行事など特別な日のこと。
一方でケの日とは、日常、普段の生活のことを言います。


日常(ケの日)がしっかりしてこそ、ハレの日が輝く。
―小児科医 高橋昭彦先生  

つまり、ありふれた日常をしっかり生き抜くということです。

 



育児って、忙しいですよね。
子どもは待ったなしであるし、大人にいっぱい遊んでほしいと思っているし。

ものすごく強いエネルギーを秘めているので、育児には思った以上に忍耐力と体力が必要です。

さらに医療的ケアが必要となると…
正直、家族の生活への負担は大きなものになります。

   

忙しさと疲労感のあまり、当たり前のことやこどもの小さな変化を見逃してしまうことも少なくないでしょう。
というより、見ていたことも忘れてしまうのかもしれません。


日々が忙しいあまりに特別な出来事に目がいきがちですが、
”ハレの日”が楽しいのは、”ケノ日”がしっかりしているからなんです。
日々を整えることが、多くの人にとって必要なことなのでしょう。


  

この言葉から普段の訪問看護のことを思い浮かべてみる。


すると訪問看護の仕事は、「小さな変化に気づくこと」や
「日々変わりのないことを確認すること」が大事な仕事のひとつだと、思えたのです。

それは

・昨日よりミルクが上手に飲めるようになったね
・名前を呼んだら笑うようになったね。お喋りしてるね。


などの、本当に小さな小さな、成長の一歩のことです。

 

  

訪問看護で毎日の関わりの中で、これらの小さな成長を、家族と一緒に見つけていきたい。
ケの日、案外楽しいなーーと。

悩み苦しんだことも、必ずハレの大事な要素になります。
だから、ハレの日もケの日も、どっちも大事。

  

訪問看護はケノ日を支える仕事だとも言えますね。

  

おわりに

訪問看護はただお家を訪問して、症状確認をするだけではありませんでした。
子どもの育ちに関われることが、小児訪問看護の楽しいところです。

また訪問看護師は、身内のようで家族ではない、という不思議な立場の人間です。
子どもや家族に寄り添えることに喜びを感じながら、日々学びを深めていきたいですね。

1人でも多くの人が小児訪問看護を知ってくれたらいいなぁ。

  

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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【看護師/ベビーマッサージ講師/小児タッチケアセラピスト】 人格形成の原点はどこ?を解決したい⏩小児看護の道へ。 細く長く看護師続けたい! 成長の源は、人と旅と看護の出会いから 小児がん病棟勤務→27歳で訪問看護師になる。 明日も会いたい人になることが目標です。 小児医療人集まれ~!の会 主宰(不定期開催)。 1992年生まれ。山が好きです。